共有持分

共有持分の買取業者の目的を解説 買取後に単独名義にして活用

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共有持分の仕組みがわかると買取業者が「共有持分だけを買い取ってどうするのだろう」と疑問が湧くのは当然と言えます。

共有持分の所有者としては持分が買い取ってもらえるのはたいへん安心なところですが、売却後にどうなるのかは知っておきたいところです。

私は相続した父の名義のままの実家の共有持分を業者に買い取ってもらいました

この記事では共有持分の買取業者の買取の目的を説明します。

共有持分の買取業者の目的

共有持分の買取は所有者が持っている共有持分を業者自身が買取するというものです。

共有持分を買取する会社によって目的は様々ですが、共通するところは共有名義の不動産における共有持分を購入し、最終的に収益化することです。

もっとわかりやすく言えば、空き家の買取でも、訳あり物件や事故物件の買取でも、不動産を買い取りする不動産会社は、それらの不動産を用いて収益化する、つまり利益をあげることが目的です。

収益のあげ方にはいろいろな方法がありますが、

  • 共有持分のままで共有者に売る
  • 共有者から他の持分を買い取って単独名義にする

が最初に行われることです。

共有持分のままで共有者に売るのであれば、不動産の売却ですので、売却の成約で会社の利益につながります。

あるいは、残った持分を所有する共有者から持分を買い取って単独名義とすれば、普通の不動産となり、その不動産を販売すれば会社は利益を上げることができます。

単独名義となった不動産はこれまでとは違って普通の不動産であり、おおむね下の2つのように活用がなされます。

  • その不動産の購入希望者に売却ができる
  • その不動産を賃貸物件として活用できる

不動産の購入希望者への再販は多くの会社が行っているところで、もちろん再販も行われていますが、共有持分などを扱う不動産会社に特徴的なところは、不動産投資家向けの売却です。

その物件に住みたいという人ではなく、賃貸物件として保有したいという人向けの売却は、リフォームのコストが住みたい人向けに売る場合に比べて少なくて済みます。

また、買取業者の中には再販ばかりでなく、自社で賃貸物件を保有したいという目的で買取を行うところも出てきました。

いずれにしてもどのような難あり物件であっても不動産は立派な資産であり、これらの買取業者は、単に不動産を購入して住むという以外の様々な活用方法のアイディアとスキルにたけており、共有持分を買い取った上で収益化することができるのです。

その前に共有持分について詳しく知りたい方は下の記事を

共有持分の買取の理由

共有持分は、他の共有者との権利調整が必要なため市場価格よりも低く評価されるのが普通です。

そのため、買取業者にとっては買取で資金を投入しても、再販時に大きな利益を見込める可能性があります。

これは共有持分に限らず、空き家でも訳あり物件でも、買取再販の業者すべての目的と共通するところです。

共有持分の場合は権利調整が複雑なところが”訳あり”の理由となります。

その面をもう少し詳しく追ってみましょう。

共有持分の買取業者の買取後にすること

共有持分買取の最終的な目的は、わかりやすく言うと共有持分となっている不動産の価値を高めることです。

その目的の達成のために、持分買取業者は買い取ったときに共有名義となっている不動産を単独名義として、販売や活用が可能な不動産とすることを目指します。

そのためには、次のような過程で買取が進んでいきます。

共有持分を買い取りの最初

たとえば、

Aさんが持分1/2

Bさんが持分1/2

という不動産があったとします。

業者が買い取った後は、これが

Aさんが持分1/2

不動産会社が持分1/2

ということになります。

買取業者が残りの共有持分を買い取る

買い取った不動産会社は、次にAさんの持分1/2を買取します。

すると、不動産の共有持分の所有は

不動産会社が1/1

つまり、その不動産の全部を所有することとなります。

単独名義となった不動産を再販する

ここまで来れば、共有持分とはもはや言わず、通常の不動産と同じことになります。

買取業者は、家付の土地であれば、リフォームしてきれいになった家を一般向けに売却することもできます。

または、賃貸物件として運用することも可能となります。

共有持分を誰かひとりが所有する普通の不動産とすることが、買取業者の目的です。

共有持分の買取後のもう一つの目的

共有持分を通常の不動産にするためには、買取業者が必ずしも全部の持分を買い取りするのでなしに、共有持分を共有者に買い取ってもらう提案も行われます。

共有持分の買取請求

これは共有持分の買取請求というものです。

全部を買い取って単独名義とするよりは収益性は落ちますが、その分リスクは少なく、短期に売買が成立します。

Aさんが希望すれば買取業者である不動産会社からBさんから取得した1/2の分を、話し合いがつかなかったBさんからではなく、新しい所有者である不動産会社から買取をして自分のものとすることができます。

共有者が多数であるケース

本来ならば買取業者が介在しなくても、AさんとBさんの間で持分を売買し、どちらかが単独所有の不動産にするのが望ましいのですが、共有持分の買取に至るケースではそれが難しいことが多いのです。

特に共有名義の不動産には2人で所有する不動産ばかりでなく、共有者が10人、20人となってしまった事例もあります。

それらの不動産は、かなり以前の相続時点から手つかずのまま放置されていることが多く、こうなってしまうと誰か一人では名義人を特定することも交渉をすることも大変困難になってしまいます。

これらの不動産は相続登記もできていないことが多いので、多くは亡くなった人の名義のままになっています。

このような不動産は、持分買取業者が現れるまでは、あきらめられていることが多かったと思われます。

共有者を探すことも買取業者ならできる

共有持分の買取をする不動産会社では、弁護士や司法書士が在籍したり提携をしているのが普通なので、このような場合でも相続人を特定したり、住民票などをたどって、住所を調べることが可能です。

最終的に名義人を一人にできれば、住むこともできますし、売却も人に貸すこともできます。

共有持分に限らず、訳あり物件の不動産の買取の目的は最終的に、不動産を市場に流通できるものにすることです。

ここまでの結論をまとめると

  • 買い取った共有持分を単独登記にして販売可能なものにする
  • 建物をリフォーム後、一般の買い手にリフォーム済み住宅として販売する
  • 買い取った物件の多くは需要の高い投資用物件として販売される

共有持分の売却のコツ1

このうち注目したいのは投資用物件への運用です。

空き家の買取再販業者として業績を伸ばしている会社のほとんどは、必ずといっていいほど一般向けの実需だけではなく投資用物件としての再販を行っています。

賃貸であれば、古い物件でも、再建築不可物件などの問題がある物件でも、しかもリフォームは完璧でなくても十分に活用できます。

一般の人は聞きなれないところですが、このようにして多くの物件が出回っており、不動産投資は外国人が多数参入していることもあり、都心の新築マンションの2割は投資物件として売買されています。

不動産のサイトで有名なLIFULL HOME’Sでも、一般向けの他に投資用物件が表示されるページがあり、想像以上に需要は高いです。

不動産の買取業者はこれらの投資家への販売ルートを既に確保しており、売れやすい上に収益性が高いので、高値での買取が期待できます。

売主にとっても、共有持分はこれらの賃貸物件を扱う買取業者に売るのが高値での売却のコツとなります。

共有持分の売却は、不動産投資物件への運用を行っている買取業者に売りましょう。

共有持分の買取後について

共有持分の買取業者の目的は伝わったと思いますが、それでは実際の買取後はどうなるのかも見ていきましょう。

買取後の交渉の様子

共有持分の買取専門、共有持分買取プロを運営するアルバリンク社は、買い取り後の交渉について下のように説明しています。

決して、悪徳業者のような「共有者から持分を奪おうとする強引な交渉」は行いません。「共有持分を買い取ってもらいたいけど、他の共有者に迷惑がかかるのでは?」と心配する相談者様は多いですが、弊社ではそのような心配は一切不要ですので、安心してご相談ください。―共有持分買取プロの解説

これについてもう少し説明していきましょう。

共有持分の買取後の方法は主に2つ

共有持分の買取後の方法は下のようになります。

  1. 共有者Aさんに、C社が取得した持分を売却する
  2. 共有者Aさんの共有持分をC社が買取する

AさんにC社の持分を買い取ってもらうか、またはC社がAさんの持分を買い取ることで意見が一致すればいいのですが、一致しない場合は共有物分割請求という裁判となります。

しかし、これは業者側が避けたい事態なのです。

費用をかけずに共有持分を取得

裁判

訴訟となると弁護士が必要となり日数も費用もかかるためで、そもそも訴訟は不動産会社の業務ではありません。

なるべく裁判にしないで相手の同意を取り、双方にとって経費の負担の少ない方法で、早期に解決をはかるということが業者側の腕の見せ所といえます。

なので、相手側と上手に交渉の上話し合いを進めることがネックとなります。

強引な手法を取って争いになったり、話が長引いて裁判になったりすることは業者側にとってもいいことではないのです。

共有持分の売却のコツ2

そもそも、この記事でご紹介している共有持分の買取業者は、インターネット上で「全国の共有持分を買い取りします」という会社ばかりです。

全国対応なので広告はインターネット上で行うため、全国対応の業者ほどインターネットは大切な媒体です。

クレームがつくような対応をした場合は、すぐにSNSやレビューで悪い評判が広まってしまうでしょう。

小さい不動産会社なら一軒の家を1億円で取引したらそれで会社を閉じてしまってもかまいませんが、大きな会社は目先の利益よりも、長期的で安定した経営が必要です。

そのため全国対応の会社ほど、必然的にユーザー本位の条件の良い買取とならざるを得ないでしょう。

ネットで知名度の高い会社に不動産の買取を依頼するのは、単に「大きな会社だから」という以上に、上記のような理由で信頼性が高いというメリットがあるのです。

まとめ

共有持分の買取業者の目的をまとめると

買い取った共有持分を単独登記にして販売可能なものにする

とするのが第一の目的です。

その上で

  • 建物をリフォーム後、一般の買い手にリフォーム済み住宅として販売する
  • 買い取った物件の多くは需要の高い投資用物件として販売される

共有持分の買取業者の買取は、きちんとした目的があります。

けっして買い取った物件を放置したり、転売したりするわけではありませんで、住まいとして賃貸物件として活用される、そのための買取です。

なので、持分買取業者も熱心に対応エリアを全国に広げ、どんなところのどんな物件でも買取を行います。

近年は買取業者の数も増加しておりますので、買取価格も競争で高くなる傾向にあります。

以上を踏まえて、手持ちの共有持分の不動産の高額売却に役立ててみてください。