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住宅ローンが残っている共有持分は売却できる?抵当権・任意売却・買取の注意点

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夫婦や親子で共有名義にした住宅に住宅ローンが残っている場合、「自分の持分だけを売ることはできるのか」「ローンが残ったままで売却すると何か問題が起きるのか」と不安を感じる方は少なくありません。

結論からいえば、住宅ローンが残っていても共有持分を売却することは法律上可能です。

ただし、売却方法によって必要な手続きや注意点が異なります。

この記事では、住宅ローンが残っている共有名義の家を売る方法を状況別にわかりやすく解説します。

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住宅ローンが残っている共有持分は売却できるのか

共有持分が売却できるというのは目にする機会が多いでしょう。

しかし、住宅ローンが残っている場合の売却ができるのかどうかは心配なところです。

結論:売却自体は可能だが条件と制約がある

住宅ローンが残っている状態でも、共有持分の売却は法律上可能です。共有持分は「自分の所有権の割合」であり、他の共有者の同意がなくても自由に処分できます(民法206条)。

ただし、実際には以下のような制約が生じるケースがあります。

  • 金融機関との契約条件によっては売却に同意が必要な場合がある
  • 抵当権が設定されているため、買い手が見つかりにくい
  • 売却価格がローン残高を下回るオーバーローンになる可能性がある

これらの制約を理解したうえで、適切な売却方法を選ぶことが重要です。

共有持分に設定されている抵当権とは

住宅ローンを組む際、金融機関は担保として物件に「抵当権」を設定します。抵当権とは、ローンが返済されない場合に金融機関が不動産を競売にかけて回収できる権利のことです。

共有名義の場合、抵当権は物件全体に設定されているケースが一般的です。共有持分だけに抵当権が設定されることもありますが、ペアローンなどでは物件全体への設定が多く見られます。

抵当権が残ったまま持分を売却しても、買い手はその抵当権の制約を引き継ぐことになるため、一般の買い手はまず見つかりません。

金融機関の同意が必要になるケースとは

住宅ローンの契約書には「担保物件を売却する場合は事前に金融機関の承諾を得ること」という条項が含まれているのが一般的です。

この条項に違反した場合、金融機関から「期限の利益の喪失」を通告され、残債を一括返済するよう求められることがあります。売却前に必ず金融機関に相談しましょう。

共有名義の住宅ローンの主なパターン

共有名義の住宅ローンには、大きく分けて3つのパターンがあります。自分がどのパターンに該当するかを把握することが、売却方法を選ぶうえで重要です。

パターン 概要 特徴
ペアローン 夫婦それぞれが独立してローンを組む それぞれが債務者・お互いが連帯保証人
連帯債務型 1本のローンを2人で共同返済 収入合算で借入額を増やせる
連帯保証型 主債務者1人・もう1人が連帯保証人 持分はないのに保証債務を負う場合も

ペアローン(夫婦それぞれが借り入れ)

ペアローンは夫婦それぞれが別々のローン契約を結ぶ方法です。それぞれが相手のローンの連帯保証人になるのが一般的で、持分割合と借入割合を連動させやすいメリットがあります。

ただし、離婚や関係悪化の際に売却・名義変更の交渉が複雑になりやすく、どちらかが返済を停止すると連帯保証人に請求が来るリスクがあります。

連帯債務型(収入合算)

連帯債務型は、1本のローンを2人が共同で返済義務を負う形式です。収入を合算することで借入額を増やせるメリットがある一方、2人とも同等の返済義務を持ちます。

持分は契約時に決めた割合で登記しますが、ローンの返済義務は持分割合に関係なく全額が両者に生じます。

連帯保証型との違い

連帯保証型は、主たる債務者(1人)がローンを組み、もう1人が連帯保証人になる形式です。連帯保証人は持分を持たないにもかかわらず返済義務を負うため、注意が必要です。

この場合、連帯保証人は原則として物件の共有者ではないため、売却に際して法律上の同意は不要ですが、金融機関との関係では協力が求められることがあります。

住宅ローンが残っている共有名義の家を売る4つの方法

住宅ローンが残っている共有名義の家を売る方法は、大きく4つに分けられます。それぞれの方法の特徴と向いている状況を確認しましょう。

①共有者全員の合意で家ごと売却する(全体売却)

最もスムーズに進められる方法が、共有者全員の合意を得て物件全体を売却する「全体売却」です。一般市場に売り出せるため買い手が見つかりやすく、売却価格も高くなりやすい点がメリットです。

売却代金でローンを完済し、余剰分を持分割合に応じて分配します。全員が売却に同意しているなら、まずこの方法を検討してください。

②自分の共有持分だけを売却する(持分売却)

共有者が売却に同意しない場合や、連絡が取れない場合は、自分の持分だけを売却する方法があります。法律上は他の共有者の同意なしに持分を売却することができます(民法206条)。

ただし、持分だけを購入する一般の個人買い手はほとんどいないため、共有持分の買取を専門とする不動産業者への売却が現実的な選択肢となります。

③任意売却でローンを整理してから売る

売却価格がローン残高を上回れない「オーバーローン」の状態にある場合、金融機関の合意を得て市場価格で売却する「任意売却」という方法があります。

任意売却では、通常の競売と違い、売却価格や引渡し時期などについて金融機関と交渉できます。残債については分割返済の交渉も可能なケースが多く、競売よりも売主の負担が軽減されます。

④共有者から持分を買い取って単独所有にしてから売る

相手の持分を買い取って単独所有にしてから売却する方法です。単独所有になれば自由に売却できるため、全体売却に準じた価格での売却が可能になります。

ただし、買取のための資金が必要であり、相手が売却に同意しているなら全体売却を検討した方が手間が少ない場合が多いです。相手との関係性や資金状況を考慮して判断しましょう。

自分の共有持分だけを売却する場合の注意点

共有持分の売却は通常の不動産とは違いあります。自分の共有持分だけを売却する場合に知っておいた方が良い点をまとめます。

共有者の同意は不要だが買い手が限られる

共有持分の売却は、他の共有者の同意なしに進めることができます。しかし、「同意が不要」と「売却が容易」は別の話です。

購入した持分を活用できる買い手でなければ購入するメリットがないため、実際には買い手が大幅に限られます。一般市場では買い手が見つかることは稀です。

一般市場では売りにくい理由

共有持分のみを購入した場合、その買い手には以下のような制約が生まれます。

  • 物件を単独で売却・建替えができない
  • 他の共有者の同意がなければ賃貸に出すことも難しい
  • 抵当権が残っていれば金融機関の制約も引き継ぐ

このような制約があるため、一般の個人がリスクを冒して共有持分だけを買うことはほとんどありません。

共有持分買取業者への売却が現実的な選択肢

共有持分の売却先として現実的なのが、共有持分の買取を専門とする不動産業者です。こうした業者は、持分を取得した後に他の共有者と交渉したり、法的手続きを活用したりして問題を解決するノウハウを持っています。

売却価格は市場価格より低くなるケースが多いですが、スピーディに現金化できる点や、共有者との交渉が不要な点がメリットです。

住宅ローンが残っている状態で売却する際の流れ

ローンが残っている共有名義の家を売却する際は、以下のステップで進めるとスムーズです。

STEP1:ローン残高と物件の査定額を確認する

まず金融機関に連絡し、現時点のローン残高を確認します。同時に、不動産業者に物件の査定を依頼し、現在の市場価格を把握します。

この2つの数字を比較することで、「売却代金でローンを完済できるか(アンダーローンかオーバーローンか)」を判断できます。

STEP2:オーバーローンかアンダーローンかを判断する

査定額がローン残高を上回っている場合は「アンダーローン」、下回っている場合は「オーバーローン」です。

  • アンダーローン:売却代金でローンを完済し、余剰分を分配できる
  • オーバーローン:売却代金だけでは完済できないため、不足分の対応が必要

オーバーローンの場合は、自己資金を追加投入するか、任意売却を選択するか検討が必要です。

STEP3:金融機関または共有持分買取業者に相談する

全体売却を選ぶ場合は金融機関に売却の意向を伝え、抵当権抹消の手続きについて確認します。持分売却を選ぶ場合は、共有持分買取業者に査定を依頼し、売却条件を確認します。

いずれの場合も、複数の業者・金融機関に相談して条件を比較することをおすすめします。

STEP4:売買契約・決済・抵当権抹消

売買契約を締結し、決済日に売却代金を受領します。売却代金でローンを完済し、同日に金融機関が抵当権を抹消します。抵当権の抹消登記は司法書士が行うのが一般的です。

決済と抵当権抹消は同日に行われるよう段取りすることが重要です。抵当権が残ったままでは所有権移転ができないため、事前に金融機関と司法書士の日程を合わせておきましょう。

オーバーローンの場合はどうなる?

オーバーローンとは、不動産を売却したときの価格よりも、残っている住宅ローンの金額の方が多い(上回っている)状態のことです。

売却と同時に完済できるのが良いですが、不動産を売却した代金をすべてローンの返済に充てても、ローンを完済することができないケースが多いです。

売却額でローンを完済できない場合の選択肢

オーバーローンの状態では、以下の選択肢があります。

  • 自己資金を追加してローンを完済する
  • 任意売却を行い、残債を分割返済する
  • 売却を諦めてローンを払い続ける

自己資金が用意できない場合、任意売却が有力な選択肢となります。

任意売却とは?通常売却との違い

任意売却とは、ローンを完済できない状態で、金融機関の同意を得たうえで物件を売却する方法です。

競売とは異なり、市場価格に近い価格での売却が可能で、引渡し時期などの条件も交渉できます。

  任意売却 競売
売却価格 市場価格の80〜90%程度 市場価格の50〜70%程度
プライバシー 近隣に知られにくい 公告されるため知られやすい
引越し時期 交渉次第で猶予あり 裁判所の命令に従う
残債処理 分割返済の交渉可能 残債がそのまま残る

任意売却のメリット・デメリット

任意売却の主なメリットは、競売より高い価格で売却でき、プライバシーが守られ、残債の分割返済交渉ができる点です。

一方で、金融機関の同意が必要なため、交渉に時間がかかる場合があります。

また、任意売却後も信用情報に傷がつく点はデメリットとして認識しておく必要があります。

離婚時に住宅ローンが残る共有名義の家を売るケース

共有名義の家の売却理由の一つに離婚があります。離婚時の財産分与は複雑であり、当事者間でトラブルになりやすい点が多くあります。

特にローンが絡む場合の注意点を確認ます。

離婚と共有名義問題の関係

離婚の際、共有名義の住宅ローンが残っている場合は特に複雑な問題が生じます。

離婚しても住宅ローンの連帯債務・連帯保証の関係は解消されないため、元配偶者がローンを滞納すると自分にも請求が来ます。

また、物件の名義を変更しただけではローンの債務関係は変わらない点にも注意が必要です。

売却か名義変更かの判断基準

離婚時に選択肢となるのは主に「売却して清算する」「どちらかが引き取って名義変更する」の2パターンです。

  • 子どもがいてどちらかが住み続ける場合:名義変更+ローンの借り換えを検討
  • 双方が新生活を始める場合:売却して清算するのがシンプル
  • どちらも住まない・ローン返済が困難:早期に売却や任意売却を検討

名義変更の場合、ローンの借り換えが伴うため、単独で審査を通過できる収入・信用情報があるかどうかが鍵になります。

元配偶者が売却に同意しない場合

元配偶者が売却を拒否している場合でも、自分の持分だけを売却することは可能です。

また、共有物分割請求訴訟を裁判所に申し立て、強制的に分割や競売を求めることも法律上認められています。

ただし、裁判は時間・費用がかかるため、まずは専門家(弁護士・不動産業者)に相談し、話し合いで解決できないか検討することをおすすめします。

関連記事:
共有持分の買取と裁判ならどちらがいい?違いと比較をお知らせ

共有持分の買取業者に売却する場合のポイント

共有名義の家の売却では、共有持分を専門業者に売却をする買取での売却がほとんどです。

買取業者が選ばれる理由(スピード・確実性)

共有持分の売却先として買取業者が選ばれる最大の理由は「確実に売れる」点です。

一般市場では買い手が見つからないケースがほとんどですが、買取業者であれば査定後に買取の意向が確認できます。

また、仲介売却と違い買主を探す時間が不要なため、早ければ1〜2週間程度で現金化できるスピード感もメリットです。

査定から売却完了までの期間の目安

買取業者への共有持分売却は、一般的に以下のスケジュールで進みます。

  • 査定申込〜査定結果の提示:3〜7日程度
  • 売買契約の締結:査定合意後1〜3日程度
  • 決済・引渡し:契約後1〜2週間程度

全体では最短で1〜3週間程度が目安です。ただし、ローン残高や抵当権の状況によってはもう少し時間がかかる場合もあります。

業者選びで確認すべきポイント

共有持分の買取業者を選ぶ際は、以下の点を確認することをおすすめします。

  • 共有持分・訳あり物件の取引実績が豊富か
  • 査定が無料・無条件で依頼できるか
  • 担当者の対応が丁寧で説明がわかりやすいか
  • 複数社から相見積もりを取って比較できるか

※共有持分の買取業者については、下記でご紹介する会社をご参照ください。

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よくある質問(FAQ)

ローンの残る共有持分の売却のよくある質問をまとめます。

Q. ローンが残っていても共有持分だけ売れますか?

はい、法律上は売却可能です。ただし、ローンが残っている持分は抵当権付きとなるため、一般市場での売却は難しく、共有持分の買取業者への売却が現実的な選択肢です。売却前には必ず金融機関に相談し、契約条項を確認しましょう。

Q. 共有者がローンの連帯債務者の場合、持分売却できますか?

持分の売却自体は可能ですが、連帯債務の関係は売却後も残ります。つまり、持分を売っても連帯債務者としてのローン返済義務が消えるわけではありません。根本的な解決のためには、ローンの借り換えや任意売却なども含めて検討する必要があります。

Q. 売却後もローン返済義務は残りますか?

持分だけを売却した場合、ローンの返済義務は売却後も原則として残ります。ローンの債務から外れるには、金融機関との正式な手続き(借り換え・任意売却など)が必要です。不動産業者への持分売却だけでは、ローンの問題は解決しない点に注意してください。

Q. 競売になる前に売ることはできますか?

可能です。ローンの返済が困難になった場合でも、競売が開始される前に任意売却を申し込むことができます。競売よりも高い価格での売却が期待でき、プライバシーも守られます。返済が厳しくなったと感じた時点で、早めに金融機関や任意売却に対応した専門業者に相談することをおすすめします。

まとめ

住宅ローンが残っている共有名義の家を売る方法についてまとめます。

  • 共有持分はローンが残っていても法律上売却可能だが、制約があることを理解する
  • 全員が同意できるなら「全体売却」が最もシンプルで価格も高くなりやすい
  • 共有者が同意しない場合は「持分売却」が選択肢だが、買取業者への売却が現実的
  • オーバーローンなら「任意売却」を金融機関と交渉する
  • 離婚ケースでは名義変更かどうかも含めて専門家に相談する
  • 売却前に必ず金融機関に相談し、ローン残高と査定額の比較から始める

共有名義のローン問題は、状況によって最適な解決策が異なります。まずは共有持分の買取を専門とする不動産業者や、法律の専門家に相談することで、あなたの状況に合った選択肢を見つけることができます。

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