共有持分

共有名義の不動産の売却の売買契約に必要なこと

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共有名義の不動産を全員一致で売却をする場合には、契約はどのようになるのかをまとめます。

通常の不動産の売却とは違う点もありますので、あらかじめ知識として押さえておくと安心です。

共有名義の不動産売却

共有名義の不動産売却と単独名義の不動産売却には、いくつかの重要な違いがあります。

1. 所有者の数と意思決定

共有名義の不動産の売却で必要なことは全員の同意です。

共有名義の不動産は所有者が複数いるため、売却を決定するためには全ての共有者の合意が必要です。

一人でも反対する共有者がいると、売却が進められないことがあります。

このため、意見の調整や合意形成に時間がかかる場合が多く、売却がスムーズに進まないリスクがあります。

単独名義の不動産にはそのようなリスクはありません。

名義人が一人だけなので、その人の意思だけで売却の決定が可能です。

2. 契約書や手続きの複雑さ

共有名義の不動産の売買契約では契約書や重要事項説明書には、全ての共有者の名前を記載し、署名・押印をしてもらう必要があります。

また、媒介契約書や売買契約書にも全員の署名が必要となるため、手続きが複雑になります。

3. 売却価格と売却のしやすさ

売却にあたっては、全員の同意が得られなければならないため、売却のタイミングが遅れ、最適な売却価格で取引できないケースが考えられます。

また、共有者の持分ごとの価値を考慮する必要があります。

4. 税金や経費の負担の問題

売却によって発生する税金や経費の負担をどのように分担するかを、あらかじめ共有者間で話し合う必要があります。

特に、譲渡所得税や仲介手数料などの費用分担については、合意を得ておかないとトラブルの原因になることがあります。

5. 法的トラブルのリスク

一部の共有者が売却を強く希望しているが、他の共有者が反対する場合、持分の裁判所による分割や競売の手続きを取らなければならないケースもあります。

共有名義の不動産の売却の売買契約

共有名義の不動産を売却するにあたって、実際に売買契約でどうなるのかの質問をまとめます。

 媒介契約書は一冊に全員署名する

媒介契約書は、通常、一冊に共有者全員の名前が記載され、全員が署名・押印する形を取ります。

これは、全員が媒介業者に対して売却を依頼するという意思表示を示すためです。

重要事項説明書の所有者欄は全員の名前

重要事項説明書の所有者欄には、基本的には全ての共有者の名前を記載するのが一般的です。

これは、購入希望者に対して所有権がどのように構成されているかを正確に伝えるためです。

契約書の表題部売主名は全員の名を入れる

契約書の表題部売主名には、共有者全員の名前を記載します。これは、所有者が複数いることを明示し、購入者に対して透明性を保つためです。

また、契約書の中で「甲」という表現を使用する場合は、全ての共有者をまとめて「甲」と表記するケースもあります。

最後の署名捺印欄は全員にもらう

署名捺印欄については、全員の署名・押印が必要です。

これは売主全員が売却契約に同意していることを証明するためです。

共有者が遠方にいるとき

遠方にいる共有者の場合は、署名や捺印については郵送で契約書を送付し、署名・押印してもらう方法を取ります。

この場合、郵送のやり取りで契約締結までに時間がかかるため、あらかじめスケジュールを調整しておくことが重要です。

委任状が必要なケース

通常は共有者の署名や捺印は全員のものが必要です。

それ以外、共有者の1人が代表者として契約するなら、代表者への委任状などを作成する必要がありますが、それ以前に仲介する不動産会社が意思確認などを行うことも考えられますので、あらかじめ不動産会社に確認をしましょう。

まとめ

共有名義の不動産売却は通常の取引に比べて手続きが複雑になりがちですが、上記の手順の通りに進めればスムーズな売却が望めます。

人数が多い場合は、用意するのに日数がかかることが予想できますので、早めに準備を進めることも大切です。