共有持分

共有持分の放棄の落とし穴!内容証明でも手離せない

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共有持分の放棄とは、共有している特定の権利や所有権を意図的に放棄することを指します。

共有持分の放棄が成立すれば不動産が手放せますが、放棄には共有者の同意が必要となります。

共有者が同意しない場合には、共有持分の放棄によって不動産を手放すことはできないので注意が必要です。

まぎらわしい共有不動産の持分放棄とは何かを説明します。

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共有持分の放棄の手続きのし方【ひな形文例】

共有持分の放棄とは

共有名義となっている不動産がいらないので、売却しなくてもいいからどうにかしたいという時に行えるのが共有持分の放棄です。

共有持分の放棄は文書の郵送で「共有持分を放棄する」と示すだけで行えます。

放棄する意思の伝達は可能ですが、実際には登記を書き換える必要があり、それには共有者の同意が必要です。

この記事でわかること

  • 共有持分の放棄とは
  • 持分放棄が成り立つには共有者の同意が必要
  • 共有者の同意なしで持分を手放す方法

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共有持分の放棄とは

共有持分の放棄とは、共有している特定の権利や所有権を意図的に放棄することを指します。

そのまま持分が手放せるのかと誤解されがちですが、結論を言うと「放棄します」といってもそのままで持分が手放せるわけではありません。

共有者である相手が同意の上で、放棄の意思表示ののちに相続登記、または移転登記を行うということが必要です。

相手が同意をしない場合は、そのまま持分を所有することとなります。

共有持分とは わかりやすく解説

共有持分の放棄の方法

共有持分の放棄を行う場合には書面での通知が有効です。

共有持分の放棄とは、その通りその不動産の所有を「要りません」として手放すことです。

共有持分の表記の表明を行う

この場合の放棄は、他の共有者に向けて行うことで基本的には相手にそのことを告げるだけです。

口頭でもいいし書面でもいいのですが、記録として残したければ下のように内容証明便で送ります。

持分の放棄の文例

持分放棄の文例です。

相続分放棄書

被相続人○○○○ (死亡年月日)
本籍( 県 市 町 番地)

上記被相続人の相続について、不動産や預貯金等の一切の遺産に関する私の相続分を全部放棄します。
私の相続分は、他の相続人で、相続分に応じて取得してください。

平成 年 月 日
住所
相続人 署 名 実印

内容証明便がおすすめ

内容証明便とは、郵便物の文書の内容ならびに差出人および名あて人を証明する特殊取扱のことで、郵便局で扱ってくれます。

内容証明便は、共有物分割請求の全段階で相手に通達をするときにも必要とされますので、必要な際には書けるように調べておきましょう。

具体的には、原稿用紙のようなマス目のついた紙に文字を記して、郵便局で記録をとってもらうだけで、特に難しい書式は必要ありません。

共有持分の放棄で共有名義を手放す

共有持分の放棄が有効に機能するのは、その不動産の持分を手放したいという時です。

他の共有者兄弟に向けて「不動産は要らない」というのが持分の放棄です。

書面や口頭で通達を行った後、他の共有者がそれを了承、各人が書類に捺印して長男が自分ひとりの名義で家土地を登記をすれば、実質的な持分の放棄がそこで初めて成り立ちます。

共有持分の放棄と相続放棄との違い

「持分の放棄」というと「相続放棄」に似たものだと思われるようですが、相続放棄は全部の相続を放棄するものです。

持分の放棄は、共有名義の不動産における自分の権利分の放棄です。

相続放棄には預貯金その他の遺産がすべて含まれます。

持分の放棄はそれと違いますので、混同されないようにしてください。

また相続放棄の期限は3カ月ですが、持分の放棄は期限はありませんし、いつでも好きな時に行えます。

共有者も持分を放棄したい場合

また、もし相続する不動産をどちらもいらないという場合にはどうなるでしょうか。

この場合、相手が了承をしないことが考えられますので、共有持分の放棄は成り立ちません。

実家が売却できる物件の時はいいわけですが、万が一、田舎で不動産が売れない地域の場合は、どちらかが了承しない限り、放棄は成り立ちません。

その時は、共有物分割請求という訴訟でどちらが引き取るかを決めるか、共有持分の売却をする以外には方法がありません。

ここまでのまとめ

共有持分の放棄には相手の同意が必要

共有持分の放棄に必要な同意とは

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土地と家屋の価値が高いので、兄弟が皆が土地が欲しいと争っているような物件だったら、誰か一人の放棄は好意的に受け入れられるでしょう。

その場合の持分放棄は十分に成り立つと思われます。

あるいは、土地全部はもらえなくてもいいから、地の相続権分の対価、代金を支払ってほしいというような場合にも、話し合いによって「持分の放棄」はと同じようにすんなり他の所有者や相続人に受け入れてもらえるでしょう。

その場合は、他の兄弟が遺産である預貯金などの対価物を受け取って、家土地は兄弟のうち一人の名義で登記するなどです。

しかし、誰もがその土地が欲しくない土地の場合、土地がもらいたくないから「持ち分の放棄をしたい」という場合には、相手の同意が取れないのは言うまでもありません。

これからは、地方の売れない空き家が増加するにつれて、このようなケースは増えていくと思われます。

「持分放棄」の目的は不動産の登記

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最終的に自分ではない誰かの名義にする場合は、名義にする人の協力が必要です。

なので、その場合は、「持分の放棄」という方法は役には立たないのです。

たとえば、私の家の例で姉と弟が、どちらも過疎地の空き家がもらいたくないという場合、私がいくら「持分の放棄」をするといっても、弟の名前での登記には至りません。

不動産の共有者が「そんな土地は私も要らない」ということになったら、私がいくら「あなたの名前で登記をしてください」といっても応じられないことになるためです。

つまり、持分の放棄の最終目標は、自分ではない他の共有者が不動産を単独、または複数の名義人で登記することにあります。

書類で「持分を放棄します」と書いて送るだけでは不十分なのです。

共有名義の不動産を手放す方法

このような共有名義の不動産である家土地を手放したい時にできる最終的な方法は2つあります。

一つは、共有物分割請求という訴訟でその不動産をどちらの所有にするか決めること。

もう一つは共有持分の売却です。

  • 共有物分割請求
  • 共有持分の売却

つまり、いったん共有名義にしてしまうと、相手の同意がない限りは、訴訟か売却かのどちらかの手立てが有効になります。

共有物分割請求に適した不動産

共有物分割請求は資産価値のある不動産に向いています。

そもそも訴訟はお金も手間もかかります。

さらに、不動産の実勢価格が100万円で、もしあって、建物の解体が必要だということになれば、解体費平均170万円が売却額を上回り、裁判費用を含めて、大きなマイナスになってしまうためです。

訴訟は高額の不動産向き 

共有持分の売却

もう一つの解決策が共有持分の売却です。

共有持分の売却は、自分の持分をただ放棄するのではなくて、買取業者に買い取ってもらって売却するという方法です。

地価の高い地域はもちろん、少額物件でも買取が可能です。

私は共有持分の売却で10年目にやっと自分の持分のみを売って、自分の名前を登記から外してもらうことができました。

固定資産税の支払いもなくなり、空き家の解体に多額の費用を出さずに済みました。

もっともよかったのは、私の息子や子孫が田舎の不要な土地を相続せずに済むようになったことです。

放棄が成立しない時は、共有持分の売却で持分を手ば成すことを検討してください。

共有持分の売却の相場

共有持分の共有者同士での売買の売却の相場と業者買取の時の相場には大きな違いがあります。

共有持分の売却の相場は、共有者同士で売買をするときには通常の不動産価格の持分割合で計算ができます。

不動産の価格x割合=売買の価格

※詳しくは
共有持分の売却の相場

共有持分の買取の相場のめやす

共有持分の業者買取の相場は、実際に持分を買い取る専門業者によると、共有持分の相場は最大で2分の1の価格、5割が相場という答え方をしています。

中には、3割から6割と幅を持たせた相場を提示する業者もおり、条件によってはさらに高い価格での買取もあります。

業者によって相場も価格も違ってくるため、持分を高く買い取る業者を選ぶことが、持分売却の最大のポイントとなります。

※買取の相場について詳しくは下の記事に
共有持分の買取の相場はどのくらい?体験者が解説

共有持分買取のメリット

共有持分の買取のメリットは、訴訟を除くと共有名義の不動産を売却して現金化できる唯一の方法であるという点です。

同時に共有状態が解消され、それまでのトラブルはすべて終結、共有者とも連絡を取る必要がなくなります。

これは売却して利益を得るだけでなく、それまで共有名義の不動産で悩んでいる所有者にとって大きなメリットであることに違いありません。

共有持分の売却後はどうなる

共有持分の買取後は、基本的に交渉ののち不動産を一つの名義にして通常の不動産と同様に売買できるようにするというのが基本です。

ただし、ワケガイはそうでもすべての不動産会社がそのようにするわけではありません。

口コミの中には、他の不動産店に査定を依頼したところ「投資家に売買するため買い手がつかない」として、買い取りを断られたという事例がありました。

また、不動産の買取で価格が安くなる原因の一つが業者同士の転売なのですが、ワケガイにはそれがなく自社で請け負うため、その分買取の価格も高く買い取ります。

買取後にどうなるかは心配なところかもしれませんが、それ以上に買取した会社が不動産をどのように活用するかによって、買取の価格が大きく違いますので、その点からも買取業者選びは大切です。

共有持分の売却とトラブル

また、買い取り後についてワケガイは

共有者に知られたりトラブルになることもありません。
当社が買取後にお客様にご迷惑がかかったりトラブルに巻き込まれることは一切ありません。

と説明しています。

私が持分売却を終えた後、確認すると私の名義分は共有持分を買い取った会社名義となっていました。

私が名義人ではない以上既に当事者ではなく、「私x共有者」ではなく、「買取業者x共有者」の共有となったのです。

あとは新たな共有者であるワケガイが行ってくれるのでトラブルは売却と同時にすべて終了するのです。

共有持分の買取の体験談

私自身の持分買取の体験を簡単に記します。

売却をしたのは築40年の普通の団地内の戸建で、共有持分の売却が完了したのは相続の発生から10年後のことでした。

父が亡くなって不動産を売却しようとしたら、何と道路が持分なし私道だということが判明。

通常の売却で売れないとわかったら、費用負担や管理の手間をおそれた弟が、音信不通になって雲隠れしてしまったのです。

様々な手立てを探したのちに、最後に共有物分割請求が専門の弁護士に相談に行ったところ持分売却をすすめられました。

それまであやしいのではないか、だいじょうぶなのかと不安に思っていた共有持分の売却ですが、弁護士の先生にすすめられたことで、持分を売却する正当な方法だということが初めてわかったのです。

家に帰ってインターネットの査定で業者を探したところ、なんと2県もまたいだ東京から、持分買取の2社が実家を見にきて査定額を提示、両方が買いたいと言ってくれたので、高い方に売却を決めました。

査定を依頼してわずか数日で共有持分が手放せることになって、長年の重荷から解放されました。

私はそこまでで10年かかってしまいましたが、今はインターネットの査定はその時よりも一般的な方法となっており、業者側も遠方の物件を扱うことが普通に行われています。

同じように共有名義の不動産で悩まれている方は、この機会にぜひ共有持分の売却を検討してみてください。

共有持分の買取まとめ

共有持分の売買とその手続きについては、通常の不動産の売却と変わりなくできます

まずは、司法書士他の士業提携がある持分売却に手慣れた不動産会社であれば、売主の方でしなければならないことは特にありません。

通常の仲介での売却とは違って買取の場合は売主の手数料も不要ですので、売却が決まれば即現金で代金を受け取ることができます。

まずは査定をしてもらい、金額を聞いた上でより良い条件での売却に進んでください。

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共有持分の売却に関するよくある質問

Q:共有持分の売却は可能なの?

A:共有持分の売却は法律的にも保証される共有名義の不動産の売却方法です。
私自身が弁護士に解決法としてすすめられた方法ですので十分可能です。

Q:共有持分を買うのはどんな人?

A:共有持分を専門、持分売却のノウハウを知る買取業者に限られます。

Q:共有持分を買取業者の目的は?

共有持分の買取業者の目的は、不動産などの共有持分を持つ人々からその持分を買い取り、彼らの所有権を取得後、流通可能な不動産とすることです。

Q:共有持分の売却の相場は?

A:不動産の買取の相場は一般的に7割とされます。共有持分の相場は買い取った業者に経費がかかるためもあって5割とされることが多いです。

Q:共有持分の売却にかかる日数は?

A:最短3日で成約、現金化することが可能です。急ぎの場合は即日買取にも対応しています。

Q:共有持分の売却でトラブルにならない?

A:法律的には保証されている方法なので、持分売却自体で他の共有者から訴えられるようなことは一切ありません。

Q:相続で話し合いがつかない不動産でも売れる?

A:相続物件で分割がうまくいかない不動産は、亡くなった被相続人名義のままで売れます。

Q:夫婦で共有になっている不動産の持分の売却は可能?

A:持分の売却であれば可能です。相手の同意や、相談の必要なく、顔を合わせることもなく売却ができます。

参考サイト:Wakegai (ワケガイ)
https://wakegai.jp/

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